翌朝、清々しく起きた野郎二人組は、黙々と飯を食う。

温泉卵に湯豆腐。いいじゃないの。


部屋に戻って一風呂浴びて、コーヒー(モンカフェ)飲んで、
テレビを見ながら一服だ。
このシチュエーション、俺達何度目かな・・・
ベイダーが見る日曜朝のTVもいつも同じだ・・。


さて、チェックアウトだ。


「良かったらコーヒーでもどうだい?」
清算後、宿のおっさんに言われ、その言葉に甘える。
ついでにいい機会だから、昨日の謎のプレハブカレー屋について聞く。


「あそこに興味があるのかい?・・そうか・・あそこは・・・」
とおっさんの話が始まるのだった。
他にチェックアウトしたいお客さんなんて無視して、
"よくぞ聞いた!!"とばかりに話始めるのだ。


要約するとこんな感じだ。

その店をやってる爺さんは、40年位前(曖昧)にひょっこりと国道18号のレストハウスでコックとして働き出した。
そこで知り合った従業員の女子と恋に落ち、結婚した後、今の場所に店を構え、
そこで住み込みで働いている。
バブルの頃はステーキ屋で稼いでいたが、不況になってそんな高級な物では儲からなくなったので、ラーメン屋に店を変えたのだ。
しかし、「ラーメンでは野菜の角が具として使えない。勿体無い」
と考え、全てが溶けてしまうカレー屋をする事を思いつき、
現在のカレー屋となった。

「俺はそう聞いているね。変わってる人だよ。」
「ま、好奇心と悪趣味があるなら行ってみるこった」


まだ朝食を食べたばかりなので、
近くにある超炭酸泉は灰沢鉱泉にでも入ってから、行くかどうか決めよう。
しかし、そのカオスな引力に我々は吸い寄せられるのだった。


コーヒーはやはり旨かった。

出発だ。